【メモ】 TeraStation故障 ⇒ データ救出成功&本体の修理も成功

カテゴリー │トラブル記録


こんにちは、パソコン&コンピュータのきくちはじめ工房です。

すっかりブログが空いてしまいましたが、気負わずボチボチ再開していきます。


ブログに書けないことだとネタはたくさんあるのですが、

ブログに書けることで、比較的最近のことから簡単にご紹介します。


この2月、ある会社様のファイルサーバー・リプレース案件を頂いて、

作業を行っていました。

その中で「まさか」と思うようなトラブルに遭遇してしまいましたので

どのようなトラブルだったかについて、本人の備忘録を兼ねて

要点だけ簡単にまとめておきたいと思います。


<目次>



■対象機器
■障害発生のきっかけ
■トラブル症状
1.web設定画面にログイン出来なくなった。
2.「NAS Navigator2」からTeraStationが見えなくなった。
3. ブラウザを起動しなおしても、web設定画面にはログインできない。
4. 共有フォルダ(ネットワーク・ドライブ)にアクセスできなくなった。
5. シャットダウン出来なくなった(論理的にも物理的にも)
6. 強制再起動後LEDパネルの表示がおかしくなった。
■BUFFALOのTeraStationサポート担当に相談してみた
■データ救出(データ退避)
■データ救出後、本体の修理にトライ・・・
■まとめ:まさか・・・



■対象機器



 BUFFALO TeraStation TS-WXL/R1シリーズ
 ファームウェア ver1.66
 ※上記は当社内の機種(お客様の機種は当然ながら非公開)


■障害発生のきっかけ



お客様のファイルサーバー・リプレース作業において、

メール通知機能がどうしても正常動作しなかったため、

社内TeraStationにて「メール配信」のサーバー設定を

全パターン試している最中に発生した。

具体的には、

ユーザー認証方式を「POP before SMTP」にして、

「テストメール送信」ボタン押下後に発生。

通常であれば、

短くて数秒~長くて3分以内にレスポンスが返って来るが、

この時は5分待っても10分待っても

「保存しています」表示のままだった。

その後は待たずに別件にかかったので、

10分以上1時間以内のどこかでエラーになっていた。

【メモ】 TeraStation故障 ⇒ データ救出成功&本体の修理も成功

単純にメール送信テストが失敗しただけなら

リトライすればいいだけで、問題でも何でもなかったが、

これが想定外の大トラブルの始まりだった。


■トラブル症状



もちろん相手(メールサーバー)がいる話なので、
TeraStationだけが原因だとは断定は出来ないが、
作業者の印象としては、
TeraStationのファームウェアのバグが疑わしい。



1.web設定画面にログイン出来なくなった。



1時間放置したので、

「セッションの有効期限が切れました。再ログインしてください。」

と出る所までは正常。

再ログインしようとしてトラブル発覚。

通常時は次の画面で10秒程度で

「ユーザー名」「パスワード」の入力欄が表示されるが、

この時は1時間経っても延々とくるくる回っているだけだった。

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2.「NAS Navigator2」からTeraStationが見えなくなった。



(そのままなので、補足なし)

3. ブラウザを起動しなおしても、web設定画面にはログインできない。



nasnaviから見えないが、

IPアドレス直打ちすると、背景画像だけは表示されるものの、

ユーザー名&パスワードが入力できないのでログインできない。

※念のため1時間待ったが、変化なかった


4. 共有フォルダ(ネットワーク・ドライブ)にアクセスできなくなった。



UNCで \\ホスト名\共有フォルダ と直打ちしても、アクセスできない

※原理的にはどちらも SMB(Server Message Block) で
接続しているだけだと思うので all or nothing だろうとは思ったが、
一応確認してみてダメだった。


5. シャットダウン出来なくなった(論理的にも物理的にも)



他に手段がないため、やむを得ず電源ボタン長押しして

電源断を試みるが、電源も切れない。

正常時は5秒以内に反応する(ピッと鳴ってシャットダウンが走る)

電源ボタンだが、今回は10秒経っても反応せず、

10秒以上押し続けていると「ピーーーーーーー」と鳴り、

HDDだけは回転が止まった音がしたが、

LEDパネルは青表示のままで

「System Now Shutting Down…」は表示されない。


6. 強制再起動後LEDパネルの表示がおかしくなった。



同じく他に手段がないため、やむを得ず電源ケーブルを引き抜き、

3分以上待ち、電源ケーブルを差し込んだ後

電源ボタンを押したところ、

一見起動してきたように見えたが、LEDパネルの表示がおかしい。

(1)通常時は、表示がローテーションするのに、
表示がローテーションしない(LINK表示で固定)

(2)DISPLAYボタンを何回か押していると、
次の通り、明らかに表示内容が壊れていた。

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(3)HDDの簡易使用量表示が「_」(アンダースコア)表示になった
※写真撮り忘れ
※データ消えた!?と冷や汗をかきました・・・


■BUFFALOのTeraStationサポート担当に相談してみた



トラブルがない限り、電話することもない訳ですが、

何かしらアドバイスかヒントを頂ければと思い、

TeraStationサポート(法人窓口)にダメ元で電話してみた。

リセットや強制再起動についていくつかアドバイスを頂いたのですが

結論は

「TeraStationのシステム破損(OS破損)の可能性が極めて高い。
 メーカー修理に出して頂くしかありません。」

だった。

※ファームウェアバグの可能性についてkickの思う所を報告したが
 他に POP before SMTP で設定に成功している事例が
 たくさんあるらしく、再検証を受けてもらえなかった。


■データ救出(データ退避)



メーカー修理に出す前に、バックアップできていないデータが

数GBあることが分かっていたので、メーカー修理の話を進める前に

まずはデータ退避を(自社で)トライしてみることに。


試行錯誤の末、何とかデータが救出できる状態までかろうじて復旧。

データは読み取れるものの、転送速度が異常に遅く

(正常時は30~40MB/s、今回トラブル中は 2~10MB/s)

結局、数GBを逃がすのに、丸一晩かかりましたが、データ退避に成功。


■データ救出後、本体の修理にトライ・・・



IT技術者(修理業者)の血が騒ぐ...(笑)ということで、

メーカー修理以外に方法はないと言われたけれど、

自己責任で(←ここ重要)試行錯誤してみることに。

今回1つだけ自ら課した条件は

「ハックはしない(脱獄してroot奪取しない)」

こと。

(する時に確認しようと思ったので、この機種で hack できるかは未確認)

データ救出に成功したため、ある意味安心した部分があり、

あれこれ試行錯誤しているうちに、

今回は幸いにも復旧(修理)に成功して、完全復活できました。

【メモ】 TeraStation故障 ⇒ データ救出成功&本体の修理も成功


■まとめ:まさか・・・



まさか「メール送信の設定の試行錯誤」だけで

ここまでの重大トラブルになるとは、完全に想定外でした。

当社が常々お客様にお伝えしている

「想定外のことは起きない」と他人事に思うのではなく

「想定外のことが起きるかもしれない」と用心することの重要性を

改めて実感したトラブルでした。


かなり痛いトラブルでしたが、
「転んでもただでは起きない!」
の思いが通じたのか、結果オーライとなりましたが・・・。
(注:トラブルはイヤですよ、念のため)


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事細かく書いていると、ブログだけで丸一日かかってしまうため、

そこまでの時間が取れない意味でも、

修理ノウハウ自体はさすがにごめんなさいの意味でも、

この記事ではここまでとさせて頂きます。

※自社単独で検討したことや、
 BUFFALOサポートと話してから検討したことなどだけで
 この記事の軽く数倍になってしまいます。
※本人だけの備忘録は、時間経過で記憶が薄れる前に書いておきます。


今回の修理は、結構な時間と労力がかかってしまったため、

メーカー修理で解決する場合は、メーカー修理の方が安いかもしれません。

しかし何らかの事情でメーカー修理が条件に合わない事例への対応や

当社の場合は修理ノウハウの蓄積の意味でも、

今回の自社修理成功は価値がありました。


以上、トラブル備忘録的な内容でした。


PS.
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