事後報告 【LinuxCon 2011 レポート】Linus Torvalds氏が語る

カテゴリー │Linux/UNIX


こんにちは、パソコン&コンピュータのきくちはじめ工房です。

#なんだかんだで、ブログが10日も空いてしまいました。汗

今日は久しぶりに、Linuxネタをお届けします。(上級者向けです)アップ


タイトル通り「事後報告」となりますが、去った6月1日から3日まで、

Linuxの開発者が集まる世界的な技術カンファレンス

「LinuxCon Japan Tokyo 2011」が開催されていました。


クラウドWatch 2011/6/2 記事より:
【LinuxConレポート】Linus Torvalds氏が語る、次期版Linux 3.0とは?


>初日にあたる1日には、Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏による基調講演をはじめ、20以上のテクニカルセッションが開かれた。

と冒頭に記述があったので、「お!Linus久しぶり!」と思って読んでみました。


記事のポイントをいくつかピックアップさせて頂くと、

・今年はLinux生誕20年の年である、らしい
(時の経つのは速いもので、kickがLinuxに初めて触れたのは1995年でした)

・8年続いたLinux (カーネル) 2.6の次は“3.0” の予定
(カーネル2.6.39の次は2.6.40ではなく3.0jだそう)

・ここ数年は(カーネル2.6.xで)安定性を保つことを考えてきた

・カーネル3.0rc1は現在混沌としていて、まだ時間があるので、まだ機能追加もできる

・「カーネル3.0の新機能で興味ぶかいもの」についてのLinusの答えは
 見た目の新機能より地味な改善が好き。
 今回はname lookup(名前探索)の変更で40%という前例のない高速化を実現している。

・カーネルメンテナーの1人である“Greg K-H”氏が聞いた「Linuxの肥大化」について
 「確かに古いマシンに乗らなくなったが、今のモバイルデバイスは昔のPCよりパワーがある」
 とし、
 「現代的なハードウェアや利用ケースに沿って成長する必要がある」と答えた。
 さらに、「cgroupsは、当初想定していたサーバーだけではなく、違う用途で
 ターゲットを見付けた。
 また、昔はSMPはハイエンドサーバーのものだったが、今はモバイルデバイスでも
 SMPのCPUを積んでいる」と利用ケースの変化を語った。

・モバイルデバイスについてはほかに、
 「AppleのiOSとMac OSは分かれているし、
 Microsoftも(WindowsとWindows Phoneが)分かれている。
 Linuxは1つのカーネルとして開発していて、それが組み込みで成功している理由の1つだろう」
 とも主張した。

・「Linuxの基本は1960年代のUNIXから変わっていないが、大事なのは進化を続けること。
 メンテナンスモードには入りたくない」

・参加者からの質問「一番印象に残っている瞬間は?」という質問に対しては、
 「多くの人はイノベーションやビジョンにこだわるが、世界はそのように動いていない。
 発展は汗と努力によるもの。Linuxも、小さなアイデアにたくさんの人がかかわって、
 後から振り返ったら大きな変化だった」と答え、会場を感心させた。

(以下省略。続けるとあれもこれもピックアップしそうなので・・・。)


Linusのインタビュー部分については、こんな感じでした。


記事後半からは、Novell社のSUSEに関する話や、Intel社の組込み系の話や、

Red Hat社によるLinuxカーネルの仮想化技術「KVM」と「QEMU」の話、

仮想マシンを操作するための共通APIを提供するlibvirtについての解説、

そして最後にクラウド事業者がLinuxを議論、と、中身の濃い記事でした。


SI(システムインテグレーション)をやっていると、時間(不足)を筆頭とする理由で

基礎研究部分の勉強まで手が回らなくなってしまいがちですが、

たまにこのような記事を読むと、知的好奇心が刺激されて、良い感じです。キラキラ 


昔は、出版されているLinux雑誌をほぼ全て目を通していたような時期も

ありましたが、最近は(Linux専門誌という形では唯一残っている)

「日経Linux」も、たまにしか手にしない現状になってしまっています。本

でも突き詰めれば、1日は24時間しかないので、優先事項と後先事項を

考えると、やはり現時点では残念ながらLinuxは後先事項入り、ですね・・・。時計

目の前のことを1つ1つこなしていき、また将来、Linuxがメインになる時期が

来たならば、その時にまた改めて楽しみたいと思います。ニコニコ

以上、今日は、「LinuxCon Japan Tokyo 2011」の事後報告と、

kickのLinux現状のついての独り言でした。あかんべー


【後日追記:6/12】
・LinuxCon Japan Tokyo 2011
 http://events.linuxfoundation.jp/events/linuxcon-japan
・【LinuxConレポート】
 Linus Torvalds氏が語る、次期版Linux 3.0とは?
 http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/event/20110602_450028.html
・【LinuxCon 2日目レポート】
 新UI「GNOME Shell」や「Ubuntu Unity」、高機能ファイルシステムBtrfsなどを解説
 http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/event/20110603_450425.html
・【LinuxCon 3日目レポート】
 Android開発スタイルは「壁に囲まれた庭での開発?」
 http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/event/20110606_450942.html




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